わかりやすさ、つかいやすさ 【v28】

場所・操作・状態をつかめるようにしよう。

司会

皆さん、こんにちは。本日は「わかりやすさ、つかいやすさ」について、T Fきりんさんにお話を伺います。よろしくお願いします。

TFキリン

こんにちは、よろしくお願いします。

たぬき

初めてWebサイトやアプリを使うと、「分からない」ことが多いですよね。

TFキリン

そうですね。それは当然のことです。知らないことは分かりようがありません。しかし、普段使っている人でも「分からない」状態になることがあります。

司会

「知る」と「分かる」の違いは何でしょうか?

TFキリン

「知る」とは、新しい知識を獲得することです。例えば、車の運転を学ぶとき、運転ルールや操作方法を新たに知ります。

[speech_balloon_left1]一方で「分かる」とは、知識だけでなく、認識が不明瞭な状態から明瞭な状態になることです。車の運転で言えば、操作方法に不安がなく、運転状況を理解できている状態ですね。

たぬき

Webサイトやアプリでも、「分かる」ためには何が必要なのでしょうか?

TFキリン

それは「場所」「操作」「状態」の3つをユーザーが把握できることです。この状態を維持できれば、「分からない」を回避できます。

「分からない」の3つの要因

ユーザーが感じる「分からない」要因

司会

ユーザーが「分からない」と感じる主な原因は何ですか?

TFキリン

見た目のトレンドは変わりますが、ユーザーの根本的なニーズは変わりません。それは「どこを操作すればどこに行けるのか」を理解し、情報を見つけることです。

たぬき

確かに、目的の情報にたどり着けないと困りますね。

TFキリン

そうです。車の運転に例えると、目的地まで運転するために「今いる場所」「操作方法」「ドライブモード(状態)」を常に把握している必要があります。

[speech_balloon_left1]同じように、Webサイトやアプリでも「場所」「操作」「状態」を把握できていないと、「分からない」状態になるのです。

場所がわからない

司会

まず、「場所がわからない」とは具体的にどういうことでしょうか?

TFキリン

ユーザーはURLやパンくずリストを常に見ているわけではありません。前後のつながりやナビゲーション、現在地の表示などを手がかりに、感覚的に今いる場所を把握しています。

[speech_balloon_left1]しかし、画面の印象が大きく変わったり、ナビゲーションに一貫性がないと、場所がわからなくなることがあります。

たぬき

具体的な例はありますか?

TFキリン

例えば、あるWebサイトでページによってナビゲーションの項目やデザインが変わると、ユーザーは自分がどこにいるのか迷ってしまいます。

[speech_balloon_left1]一貫性のないナビゲーションは、場所がわからなくなる大きな要因です。

現在地の手がかりを明示し、見せ方に一貫性をもたせる

司会

では、場所がわかるようにするためにはどうすればいいですか?

TFキリン

現在地の手がかりを明示し、見せ方に一貫性をもたせることが重要です。

[speech_balloon_left1]例えば、カレント表示やパンくずリストを使い、ナビゲーションのデザインを統一することで、ユーザーは自分の位置を把握しやすくなります。

たぬき

画面中でフォーカス位置を見失うこともありますよね。

TFキリン

はい。特にテレビ画面などでは、フォーカス位置がわからなくなることがあります。

[speech_balloon_left1]その場合、フォーカス移動にアニメーションを加えると、どこからどこに移動したのかがわかりやすくなります。

操作が分からない

司会

次に、「操作が分からない」とはどういう状態でしょうか?

TFキリン

いくつかの要因がありますが、主なものを3つ挙げます。

[speech_balloon_left1]一つ目は、結果の予測が立たず、使ってみるまでわからないことです。

[speech_balloon_left1]サービス内でルールに一貫性がないと、操作の予測ができず、試行錯誤が増えてしまいます。

たぬき

二つ目は何でしょうか?

TFキリン

二つ目は、一般的な使い方からズレていることです。

[speech_balloon_left1]例えば、虫眼鏡アイコンは通常「検索」を意味しますが、別の用途で使われるとユーザーは混乱します。

たぬき

確かに、普段のイメージと違うと戸惑いますね。

TFキリン

三つ目は、次に行うアクションが不明瞭なことです。

[speech_balloon_left1]例えば、ボタンがどれかわからなかったり、次に何をすればいいのか指示がないと、ユーザーは迷ってしまいます。

サービス内で一貫性を持たせ、普遍的なルールに従う

司会

操作がわかりやすくなるためには、どうすればいいでしょうか?

TFキリン

サービス内で一貫性を持たせ、普遍的なルールに従うことが重要です。

[speech_balloon_left1]一貫性があれば、ユーザーは操作の予測がしやすくなります。

[speech_balloon_left1]また、一般的な慣習に従うことで、ユーザーに特別な学習を強いることなく、直感的に使ってもらえます。

状態が分からない

司会

「状態が分からない」とは、具体的にどのようなことですか?

TFキリン

これは、現在の状態やモードをユーザーが把握できないことです。

[speech_balloon_left1]例えば、オンライン会議で自分のマイクがミュートになっているのか、そうでないのかがわからないと困りますよね。

たぬき

確かに、自分の状態がわからないと焦ります。

TFキリン

ボタンの表示が「消音」だけだと、それが「消音の状態」なのか「消音する操作」なのかがわかりにくいです。

「状態」と「操作」の表現を分離する

司会

この問題を解決する方法はありますか?

TFキリン

はい。「状態」と「操作」を明確に分けて表現することです。

[speech_balloon_left1]例えば、マイクがミュートの場合は赤いアイコンで表示し、「ミュート解除」というボタンで操作を示すなどです。

[speech_balloon_left1]また、状態が変わったときに画面の見た目を変化させることで、ユーザーに変化を知らせることも有効です。

「分かりやすさ」と「使いやすさ」は相関する

司会

「分かりやすさ」と「使いやすさ」は関係が深いんですね。

TFキリン

その通りです。分からなければ使いにくいですし、分かりやすければ使いやすいものです。

[speech_balloon_left1]両者は相関しており、どちらか片方だけが優れているということは基本的にありません。

たぬき

まずは「分かりやすく」することが大事なんですね。

TFキリン

はい。分かりやすさは「認知負荷」の課題であり、使いやすさはそれに加えて「身体的負荷」も考慮したものです。

[speech_balloon_left1]これらを合わせたものが「インタラクションコスト」であり、使いやすさを測るバロメーターとなります。

司会

次回はその「インタラクションコスト」について詳しく教えてください。

TFキリン

ぜひ、お話ししましょう。本日はありがとうございました。

たぬき

ありがとうございました!とても勉強になりました。

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