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場所・操作・状態をつかめるようにしよう。
皆さん、こんにちは。本日は「わかりやすさ、つかいやすさ」について、T Fきりんさんにお話を伺います。よろしくお願いします。
こんにちは、よろしくお願いします。
初めてWebサイトやアプリを使うと、「分からない」ことが多いですよね。
そうですね。それは当然のことです。知らないことは分かりようがありません。しかし、普段使っている人でも「分からない」状態になることがあります。
「知る」と「分かる」の違いは何でしょうか?
「知る」とは、新しい知識を獲得することです。例えば、車の運転を学ぶとき、運転ルールや操作方法を新たに知ります。
[speech_balloon_left1]一方で「分かる」とは、知識だけでなく、認識が不明瞭な状態から明瞭な状態になることです。車の運転で言えば、操作方法に不安がなく、運転状況を理解できている状態ですね。
Webサイトやアプリでも、「分かる」ためには何が必要なのでしょうか?
それは「場所」「操作」「状態」の3つをユーザーが把握できることです。この状態を維持できれば、「分からない」を回避できます。
「分からない」の3つの要因
ユーザーが感じる「分からない」要因
ユーザーが「分からない」と感じる主な原因は何ですか?
見た目のトレンドは変わりますが、ユーザーの根本的なニーズは変わりません。それは「どこを操作すればどこに行けるのか」を理解し、情報を見つけることです。
確かに、目的の情報にたどり着けないと困りますね。
そうです。車の運転に例えると、目的地まで運転するために「今いる場所」「操作方法」「ドライブモード(状態)」を常に把握している必要があります。
[speech_balloon_left1]同じように、Webサイトやアプリでも「場所」「操作」「状態」を把握できていないと、「分からない」状態になるのです。
場所がわからない
まず、「場所がわからない」とは具体的にどういうことでしょうか?
ユーザーはURLやパンくずリストを常に見ているわけではありません。前後のつながりやナビゲーション、現在地の表示などを手がかりに、感覚的に今いる場所を把握しています。
[speech_balloon_left1]しかし、画面の印象が大きく変わったり、ナビゲーションに一貫性がないと、場所がわからなくなることがあります。
具体的な例はありますか?
例えば、あるWebサイトでページによってナビゲーションの項目やデザインが変わると、ユーザーは自分がどこにいるのか迷ってしまいます。
[speech_balloon_left1]一貫性のないナビゲーションは、場所がわからなくなる大きな要因です。
現在地の手がかりを明示し、見せ方に一貫性をもたせる
では、場所がわかるようにするためにはどうすればいいですか?
現在地の手がかりを明示し、見せ方に一貫性をもたせることが重要です。
[speech_balloon_left1]例えば、カレント表示やパンくずリストを使い、ナビゲーションのデザインを統一することで、ユーザーは自分の位置を把握しやすくなります。
画面中でフォーカス位置を見失うこともありますよね。
はい。特にテレビ画面などでは、フォーカス位置がわからなくなることがあります。
[speech_balloon_left1]その場合、フォーカス移動にアニメーションを加えると、どこからどこに移動したのかがわかりやすくなります。
操作が分からない
次に、「操作が分からない」とはどういう状態でしょうか?
いくつかの要因がありますが、主なものを3つ挙げます。
[speech_balloon_left1]一つ目は、結果の予測が立たず、使ってみるまでわからないことです。
[speech_balloon_left1]サービス内でルールに一貫性がないと、操作の予測ができず、試行錯誤が増えてしまいます。
二つ目は何でしょうか?
二つ目は、一般的な使い方からズレていることです。
[speech_balloon_left1]例えば、虫眼鏡アイコンは通常「検索」を意味しますが、別の用途で使われるとユーザーは混乱します。
確かに、普段のイメージと違うと戸惑いますね。
三つ目は、次に行うアクションが不明瞭なことです。
[speech_balloon_left1]例えば、ボタンがどれかわからなかったり、次に何をすればいいのか指示がないと、ユーザーは迷ってしまいます。
サービス内で一貫性を持たせ、普遍的なルールに従う
操作がわかりやすくなるためには、どうすればいいでしょうか?
サービス内で一貫性を持たせ、普遍的なルールに従うことが重要です。
[speech_balloon_left1]一貫性があれば、ユーザーは操作の予測がしやすくなります。
[speech_balloon_left1]また、一般的な慣習に従うことで、ユーザーに特別な学習を強いることなく、直感的に使ってもらえます。
状態が分からない
「状態が分からない」とは、具体的にどのようなことですか?
これは、現在の状態やモードをユーザーが把握できないことです。
[speech_balloon_left1]例えば、オンライン会議で自分のマイクがミュートになっているのか、そうでないのかがわからないと困りますよね。
確かに、自分の状態がわからないと焦ります。
ボタンの表示が「消音」だけだと、それが「消音の状態」なのか「消音する操作」なのかがわかりにくいです。
「状態」と「操作」の表現を分離する
この問題を解決する方法はありますか?
はい。「状態」と「操作」を明確に分けて表現することです。
[speech_balloon_left1]例えば、マイクがミュートの場合は赤いアイコンで表示し、「ミュート解除」というボタンで操作を示すなどです。
[speech_balloon_left1]また、状態が変わったときに画面の見た目を変化させることで、ユーザーに変化を知らせることも有効です。
「分かりやすさ」と「使いやすさ」は相関する
「分かりやすさ」と「使いやすさ」は関係が深いんですね。
その通りです。分からなければ使いにくいですし、分かりやすければ使いやすいものです。
[speech_balloon_left1]両者は相関しており、どちらか片方だけが優れているということは基本的にありません。
まずは「分かりやすく」することが大事なんですね。
はい。分かりやすさは「認知負荷」の課題であり、使いやすさはそれに加えて「身体的負荷」も考慮したものです。
[speech_balloon_left1]これらを合わせたものが「インタラクションコスト」であり、使いやすさを測るバロメーターとなります。
次回はその「インタラクションコスト」について詳しく教えてください。
ぜひ、お話ししましょう。本日はありがとうございました。
ありがとうございました!とても勉強になりました。