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同一でなくとも、同等であること。
皆さん、こんにちは。本日は「マルチデバイスデザイン」について、T Fきりんさんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
こんにちは。こちらこそよろしくお願いします。今日は、現代の多様なデバイス環境におけるデザインの在り方、特に「同一ではなく、同等であること」についてお話ししたいと思います。
まず、マルチデバイスデザインとは何でしょうか?
マルチデバイスデザインとは、複数のデバイスで同じサービスを展開する際に、それぞれのデバイスの特性に合わせて最適なインターフェースをデザインすることです。ユーザーはPCやスマートフォン、タブレット、テレビなど、さまざまなデバイスを使い分けています。それぞれのデバイスに適した形でサービスを提供することが重要です。
複数のデバイスで、同じサービスを展開する
ユーザーはシチュエーションによってデバイスを使い分けますね。
その通りです。例えば、仕事の準備をするならPCが適していますし、移動中はスマートフォンで手軽に情報を得たいでしょう。また、大人数で同じコンテンツを楽しむならテレビが良いですね。その時々に合わせて、必要なデバイスで必要なコンテンツを利用できることが理想です。
つまり、同じサービスでもデバイスごとに適したデザインが必要ということですね。
はい。ユーザーがサービスを使うシチュエーションは様々です。それぞれのシチュエーションに適したデバイスから、それぞれに適したインターフェースで利用できることが、マルチデバイスデザインの大きな目的の一つです。
同一ではなく、同等のことができる
「同一ではなく、同等であること」というのはどういう意味でしょうか?
重要なのは、本質的な部分で同等の機能やサービスを提供しながら、それぞれのデバイスの特性に合わせてデザインを最適化することです。同じことができるのは大事ですが、インターフェースが同じである必要はありません。むしろ、デバイスごとに最適化された異なるインターフェースであるべきです。
確かに、スマートフォンとPCでは操作性や画面サイズが違いますからね。
その通りです。例えば、レスポンシブデザインはデバイスの画面サイズに応じてレイアウトを最適化しますが、入力手段の違い(タッチ操作とマウス操作)も考慮する必要があります。ポインティング操作とタッチ操作の境界となる画面幅を決めて、デバイスごとにデザインを調整します。
デバイスの特徴や用途に従う
デバイスの特徴を考慮する具体的な例はありますか?
はい。例えば、Googleの検索結果では、PCでは「ページネーション(ページ送り)」を採用し、スマートフォンでは「もっと見る」による無限スクロールを採用しています。これは、PCでは多くの情報を調べる目的で、スマートフォンでは簡易的な操作を提供する目的で、デバイスごとに最適な操作方法を提供している例です。
なるほど。デバイスごとにユーザーの使い方が違うことを考慮しているのですね。
そうです。また、Netflixではスマートフォンやタブレット向けに動画のダウンロード機能を提供しています。これにより、外出先や電波の届かない場所でも動画を視聴できます。持ち運びを前提としたデバイスの特性を活かした機能ですね。
デバイスによってインターフェースを変える
インターフェースをデバイスごとに変えることの重要性について教えてください。
機能が同じであっても、インターフェースが同じである必要はありません。画面の大きさ、入力手段、使われるシチュエーションが異なるのであれば、デバイスごとに最適なインターフェースも異なるべきです。例えば、PCではマウスによる細かい操作が可能で、画面も広いのでデザインの自由度が高いです。一方、テレビはリモコンでのフォーカス移動が主で、遠くから見るためフォントやボタンを大きくする必要があります。また、画面が黒基調なのは、テレビ特有のまぶしさを抑えるためです。
スマートフォンとタブレットはどうでしょうか?
スマートフォンとタブレットは、どちらもタッチ操作が主なので、基本的なインターフェースは似ています。ただし、画面サイズが違うので、レイアウトや表示内容を調整する必要があります。指で操作するため、ボタンやリンクは大きめに設計し、選択可能な要素を明確にする必要があります。
デバイスを跨いで役割を補う
デバイスを跨いで機能を補完する例はありますか?
はい。例えば、テレビでのログイン時にスマートフォンを使ってログイン情報を入力する方法があります。Amazonの「Fire TV Stick」では、テレビに表示された簡易的なURLとコードをスマートフォンで入力することで、テレビ側でのログインを完了させます。これにより、リモコンでの煩雑な文字入力を避けることができます。
他にもありますか?
本人確認のために、スマートフォンに送信された認証コードを入力する二段階認証も、デバイスを跨いだ機能の一例です。また、Spotifyのように、デバイス間で再生状況を同期させてシームレスに音楽を楽しめるサービスもあります。
デバイスを跨いで機能を継承する
デバイス間で機能を継承することのメリットは何でしょうか?
これまでは「使える」ことが最も重要でしたが、現在では「どのように使えるか」という可用性がより重視されています。デバイス間で機能を継承することで、ユーザーはシームレスな体験を得られます。例えば、Googleの「Chromecast」やAppleの「AirPlay」を使って、スマートフォンの画面をテレビにミラーリングすることで、大画面でコンテンツを楽しむことができます。
実例:PC/スマートフォン/テレビでの同サービス展開
具体的なサービス展開の例を教えてください。
はい。例えば、ショッピングサイトをPC、スマートフォン、テレビで展開する場合を考えてみましょう。
– **PC**:画面が広く、マウス操作が可能なので、商品カテゴリを横に並べたメインナビゲーションを設置し、詳細な商品情報やサブカテゴリを表示します。
– **スマートフォン**:画面が小さいため、ヘッダーを大きめに確保し、検索機能を優先します。商品カテゴリはスライドメニューやアコーディオンで表示し、タッチ操作に最適化します。
– **テレビ**:リモコンでのフォーカス移動が主なので、上下左右の操作に対応したレイアウトを設計します。フォントやボタンを大きくし、遠くからでも見やすいデザインにします。
これらのデバイスで、同等の機能を提供しつつ、それぞれの特性に合わせたインターフェースをデザインすることで、ユーザーはどのデバイスでも快適にサービスを利用できます。
デバイスごとに最適化されたデザインを提供することが重要なんですね。
まとめ
本日はマルチデバイスデザインについて詳しく教えていただき、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。ユーザーにとって最適な体験を提供するために、デバイスごとにデザインを最適化することが重要です。ぜひ参考にしてみてください。
今回のお話を今後のプロジェクトに活かしていきたいと思います。ありがとうございました!
何かご質問があれば、いつでもお声がけください。ありがとうございました。