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序章
UI / UXって何なのだろう?
皆さん、こんにちは!本日は「UIとUXって何なの?」というテーマでお送りします。講師のT Fキリンさん、そして生徒のタヌキさんと一緒に進めてまいります。T Fキリンさん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。最近、「UI/UX」という言葉をよく耳にしますね。特に転職の求人票では「UI/UXデザイナー」という職種が増えています。
確かにそうですね。でも、具体的にUIとUXって何なんでしょうか?
いい質問ですね。これから詳しく解説していきます。
UIとUXの共通点は「ヒト」に関わるものである
まず、UI(User Interface)もUX(User Experience)も、共通して「User」という言葉が含まれています。つまり、どちらも「ユーザー」、つまり「利用者」に関わることなんです。
なるほど。ユーザーが主体なんですね。
その通りです。簡単にまとめると、以下のようになります。
- UIとは?ユーザーが分かりやすい、使いやすい分野のこと。
- UXとは?ユーザーの主観と感情に基づいた体験の分野のこと。
なるほど、UIとUXにはそういった違いがあるんですね。
そうです。次は、それぞれの違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
UIとはユーザーとサービス・商品の接点である
UIについて詳しく教えてください。
「UI」とはユーザー・インターフェース(User Interface)の略称です。ユーザーが何らかの対象を操作するために介する接点がインターフェースと言えます。
インターフェースとは?
インターフェースの事例としては、私たちが直接手に触れる「マウス」や「キーボード」、「タッチパネル」などが代表的ですね。また、画面内の「ボタン」や「リンク」もインターフェースに含まれます。
なるほど、直接操作するものだけでなく、画面上の要素も含まれるんですね。
UIは日常生活のあらゆるところにある!
その通りです。インターフェースはWebサイトやアプリだけでなく、日常生活のあらゆるところに存在しています。
例えば、「銀行のATM」や「切符の券売機」、「プリクラの液晶画面」、ガスコンロの「点火スイッチ」と「火力調整スライダー」、「お風呂の湯沸かしシステム」、車であれば「アクセル」、「ブレーキ」、「ハンドル」、「カーナビ」などが、それぞれのインターフェースです。これらを介して、ユーザーは対象とやりとりを行います。
「わかりやすい。気づきやすい。使いやすい」
ITの現場でもよく使われる言葉ですが、インターフェースの使いやすさの基本原則は、人間の習性と文化に深く関わっています。
より使いやすく!を求めて、メーカーはマイナーチェンジしている
ガスコンロや車の操作方法は長年変わっていませんが、より使いやすくするために各メーカーは日々改良を重ねています。特にソフトウェアでは、直接触れないものを操作するため、UIが非常に重要です。
UIがソフトウェアの価値を大きく左右するんですね。
その通りです。UIは、人間がソフトウェアに触れられる唯一の部分ですからね。
UXとは知ってから忘れるまでの総体験
では、UXについても教えてください。
「UX」とはユーザー・エクスペリエンス(User Experience)の略称で、ユーザーが得られる体験を指します。ただ、UXは解釈が一致していない言葉でもあり、何をもってUXとするかは意見が分かれるところです。
知ってから忘れ去られるまでの体験すべて
UXの提唱者であるドナルド・ノーマンは次のように述べています。
つまり、UXとはユーザーが企業や製品、サービスとのやりとりで得られる全ての体験と言えます。
だから、サービスを使う前から後まで全てがUXに含まれるんですね。
その通りです。「その製品やサービスを使った人たちの生活がどのように変化するか」を考えてデザインすることが、UXの本質的な意義だと思います。
具体的な例はありますか?
例えば、Instagramを考えてみましょう。
[アプリ利用前]
飲食店に行く → 注文する → 料理の写真を撮る。
[アプリ利用中]
投稿する。
[アプリ利用後]
「いいね」をもらう、フォロワーが増える。
アプリ利用前から利用後までの一連の体験が、InstagramのUXとしての提供価値となります。
【結論】一連の体験すべてがUXである
このため、UX専門職になると、ビジネスモデルやプロモーション、マーケティングなどの知識も必要となります。
なるほど、UXは幅広い領域をカバーしているんですね。
そうです。例えば、Webサイトで「404 not found」ページを表示する場合も、UXの側面が強い課題です。ユーザーの体験をより良くするために、失敗時のフォローアップが重要になります。
次は、UIとUXの関係について教えてください。
UIとUXの関係
UXの範囲は、ユーザーがサービスを知ってから忘れるまでの全ての体験です。UIの範囲は狭いですが、UXの中でも「使う」という重要な領域を担っています。
UIとUXは直接的に影響を与え合う関係である
ユーザーがサービスを使う際、その大部分はUIを通じて行われます。良いUIと悪いUIでは、ユーザーが受けるUXも異なります。つまり、UIがUXに直接的な影響を与えるのです。
UIとUXは密接に関係しているんですね。
UIとUXの違い
はい。UIはサービスとユーザーの間にある「やりとり」に関する概念で、目に見える「客観的」なものです。一方、UXはユーザーの内面に関する「主観的」な概念で、直接見ることはできません。
だから、UXの評価は難しいんですね。
その通りです。UXは主観的なものなので、その設計や評価は判断しにくいものとなります。UIとUXは別の概念であることを理解しておくことが大切です。
UIとUXの具体的な例
具体的な例で、UIとUXの関係を教えてもらえますか?
もちろんです。例えば、近くにある良いレストランを探すとしましょう。
主観と感情に基づいた体験の領域= UX
お腹が空いた→スマホで検索→美味しそうな店を見つける→実際に行って満足する。この一連の流れがUXです。
分かりやすさ、使いやすさの領域=UI
その中で、スマホの検索アプリのデザインや使いやすさがUIです。良いUIは良いUXを提供できますが、データに不備があって目的の店が表示されない場合、悪いUXをUIではカバーできません。
いくらUIが良くても、サービス自体が良くなければUXは良くならないんですね。
その通りです。両者の関係性と違いを理解しておくことが重要です。
とても勉強になりました!ありがとうございます。
T Fキリンさん、今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。